コンカ・ドーロ

コンカ・ドーロ

コンカ・ドーロイタリア語: Conca d’Oro)は、イタリアシチリア島に位置する肥沃平野で、特にパレルモの周辺地域を指す。

この地域は、その名前が示す通り、「黄金の盆地」という意味を持ち、歴史的に豊かな農業地帯として知られている[1]

歴史

コンカ・ドーロは古代から農業が盛んであり、特にオレンジレモンオリーブの栽培で知られていた。アラブ人支配下のシチリア島で、灌漑技術発展が進み、農業生産が大いに拡大した。その後、ノルマン人スペイン人の影響を受けながら、農業活動がさらに発展した[2]

20世紀に入ると、都市の拡大や工業化進展により、コンカ・ドーロの農地は次第に都市開発に取って代わられることとなった。特に、第二次世界大戦後の経済成長期には、多くの農地住宅や工業地に転換された。それにもかかわらず、コンカ・ドーロの名は現在もシチリア島農業と結びついて語られている[3]

現在

現代のコンカ・ドーロは、かつての農業地帯から商業住宅地域へと変貌を遂げている。多くの農地は失われたが、パレルモ周辺にはまだいくつかの農園が残り、伝統的な果樹栽培が行われている。これにより、地域の文化的なアイデンティティが保たれている[3]

脚注

  1. ^ “Sicily: History”. Encyclopedia Britannica, Inc.. 2024年9月3日閲覧。
  2. ^ Maria Rossi (2019). “Sicily’s Citrus Paradise: The Conca d’Oro” (Sicilian Geography Society): 45-67. 
  3. ^ a b Giuseppe Lampedusa (2004). “Urbanization and the Loss of Agricultural Land in Palermo” (Cambridge University Press): 123-145.