凸結合

図に示される平面に三点 x 1 , x 2 , x 3 {\displaystyle x_{1},x_{2},x_{3}} が与えられたとき、点 P {\displaystyle P} はそれら三点の凸結合であるが、点 Q {\displaystyle Q} は異なる(しかし Q {\displaystyle Q} は、それら三点のアフィン包が全空間であるために、それらのアフィン結合である)。

数学凸幾何学(英語版)の分野において、凸結合(とつけつごう、: convex combination)とは、和が 1 となるような非負係数を持つ点(ベクトルスカラー、あるいはより一般にアフィン空間の点)の線型結合である。

より正式に、実ベクトル空間に有限個の点 x 1 , x 2 , , x n {\displaystyle x_{1},x_{2},\dots ,x_{n}\,} が与えられたとき、それらの凸結合は次の式で表される点である。

α 1 x 1 + α 2 x 2 + + α n x n {\displaystyle \alpha _{1}x_{1}+\alpha _{2}x_{2}+\cdots +\alpha _{n}x_{n}}

ただし実数 α i {\displaystyle \alpha _{i}\,} α i 0 {\displaystyle \alpha _{i}\geq 0} および α 1 + α 2 + + α n = 1 {\displaystyle \alpha _{1}+\alpha _{2}+\cdots +\alpha _{n}=1} を満たすものである。

特別な一例として、二点の間のすべての凸結合は、それらを結ぶ線分の上に存在する。

すべての凸結合は、与えられた点の凸包の中に含まれる。

線型結合の下で閉じていないが、凸結合の下で閉じているベクトル空間の部分集合が存在する。例えば、区間 [ 0 , 1 ] {\displaystyle [0,1]} は凸であるが、線型結合の下では実数直線全体を生成する。また別の例として、線型結合が非負性、アフィン性(積分の総和が 1)のいずれも保存しない確率分布の凸集合が挙げられる。

他の概念

  • 同様に、確率分布 Y i {\displaystyle Y_{i}} の凸結合 X {\displaystyle X} は、その成分確率分布の加重和( α i {\displaystyle \alpha _{i}} には上述と同様の制限が課される)であり、次の確率密度函数を備える。
f X ( x ) = i = 1 n α i f Y i ( x ) {\displaystyle f_{X}(x)=\sum _{i=1}^{n}\alpha _{i}f_{Y_{i}}(x)}

関連する構成

詳細は「en:Linear combination#Affine, conical, and convex combinations」を参照
  • 錐結合は、非負係数による線型結合である。
  • 加重平均は機能的には凸結合と同じであるが、記法としては異なる。加重平均の係数(重み)和は 1 である必要はないが、その代わりにその(係数)和で線型結合を明示的に割っている。
  • アフィン結合は凸結合と似ているが、その係数は非負である必要はない。したがってアフィン結合は、任意の上のベクトル空間において定義される。

関連項目

  • アフィン包
  • カラテオドリの定理 (凸包)
  • 凸包
  • 単体 (数学)
  • 重心座標系(英語版)