外後頭隆起

外後頭隆起
External occipital protuberance
ヒトの頭蓋骨の側面図。
外後頭隆起を赤で示す。
Occipital bone seen from below. Outer surface. (External occipital protuberance visible at top center.)
概要
表記・識別
ラテン語 protuberantia occipitalis externa
グレイ解剖学 p.185
TA A02.1.04.022
FMA 75752
解剖学用語
[ウィキデータを表示]

外後頭隆起(がいこうとうりゅうき、: external occipital protuberance)は後頭骨後頭鱗(英語版)の中央付近に存在する突起である[1]

概要

頭蓋骨の後部を構成する後頭骨には後頭鱗と呼ばれる平らな領域があり[2]、そのなかで弱く隆起した領域が外後頭隆起である[1]

外後頭隆起は体表から触診できる。後頭部の生え際よりやや上方の正中線上に骨の隆起として確認できる[3]。外後頭隆起のなかで最も突出した点がイニオンである。

外後頭隆起には項靭帯(英語版)僧帽筋が付着している[4]

16世紀のアナトリア人の骨を調査したところ、統計的に(男性の骨に比べて)女性の骨では外後頭隆起があまり目立たないことが判明した[5]

外後頭隆起から外側へ伸びる左右の線が上項線(英語版): superior nuchal line)で、その上にかすかに見えるのが最上項線(英語版): highest nuchal line)である。

部位

イニオン

イニオン: inion)は外後頭隆起の最も突出した点である[6]外後頭隆起点とも。

ἰνίον、iníon、ギリシャ語で後頭骨の意味。イニオンは脳波検査において電極配置のための目印として使われる(10-20法(英語版))。

追加画像

  • Position of external occipital protuberance (shown in red). Animation.
    Position of external occipital protuberance (shown in red). Animation.

関連項目

脚注

出典

  1. ^ a b "後頭骨には特徴的な構造がいくつかある。外後頭隆起 external occipital protuberance が正中部に張り出し" Drake 2011, p. 817 より引用。
  2. ^ "後頭骨 ... の平たい後頭鱗 squamous part of occipital bone がある" Drake 2011, p. 816 より引用。
  3. ^ "体表から触診できるさまざまな骨 ... 外後頭隆起は,頭髪の生え際よりやや上方の頭部の正中線上に,骨の隆起として触れる。" Drake 2011, p. 112 より引用。
  4. ^ "項靭帯の三角形の底辺は,頭蓋骨の外後頭隆起から大後頭孔にかけて付着する。" Drake 2011, p. 83 より引用。
  5. ^ Gülekon, IN (2003). “The external occipital protuberance: can it be used as a criterion in the determination of sex?”. J Forensic Sci 48 (3): 513–6. doi:10.1520/JFS2002183. PMID 12762519. 
  6. ^ "外後頭隆起で最も突出している点がイニオン inion である。" Drake 2011, p. 817 より引用。

参考文献

  • Drake, Richard (2011). グレイ解剖学 (原著第2版 ed.). エルゼビア・ジャパン. ISBN 978-4860347734 

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、外後頭隆起に関連するカテゴリがあります。
  • “Anatomy diagram: 34257.000-1”. Roche Lexicon - illustrated navigator. Elsevier. 2012年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月19日閲覧。
  • https://web.archive.org/web/20071223042432/http://www.upstate.edu/cdb/grossanat/hnsklatob1.shtml
  • Anatomyポータル
典拠管理データベース ウィキデータを編集
  • Terminologia Anatomica