幸田成友

幸田 成友
人物情報
生誕 (1873-03-09) 1873年3月9日
日本の旗 日本東京市神田
死没 1954年5月15日(1954-05-15)(81歳没)
出身校 帝国大学
学問
研究分野 歴史学
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幸田 成友(こうだ しげとも、1873年明治6年〉3月9日 - 1954年昭和29年〉5月15日)は、日本歴史学者

経歴

東京市神田山本町(現・外神田)で幸田成延の子として生まれる。幸田成行(露伴)郡司成忠は兄、幸田延は姉、安藤幸は妹である。東京師範学校附属小学校東京府中学校共立学校順天求合社、第一高等中学校文科を経て、1896年帝国大学文科大学史学科を卒業[1]し、同大学院に入学。ルートヴィヒ・リース講師に師事。1901年から1909年まで日本で最初に編纂に着手された市史である『大阪市史』の編纂に主任として従事し、ほとんどの部分を一人で書き上げた。

京都帝国大学文科大学講師、慶應義塾大学塾員、宮内庁臨時帝室編修官ののち、1922年東京商科大学(現一橋大学)助教授兼予科教授[2]。1924年以降、同大学で日本経済史を担当[3]。1928年から[4]1930年まで[5]文部省海外研修生としてオランダデン・ハーグに留学。1930年6月、東京商科大学教授に昇格[6]。1934年退官[7]し、1939年まで東京商科大学講師。1940年慶應義塾大学教授。1944年同名誉教授。指導学生に増田四郎吉田小五郎林基、津田礼次郎、高橋碩一、柿原謙一等がいる[8]

1928年に『日本経済史研究』を公刊、1930年「武家ノ金融ニ関スル研究」で慶應義塾大学文学博士[9]江戸時代の経済史、とくに大坂江戸を中心とする商業史都市史、都市文化史などに業績をあげ、日欧交通史にも開拓的研究がある。

1932年から1935年にかけて、『渋沢栄一伝記資料』の編纂主任を務めた[10]。墓所は池上本門寺

著書

単著

  • 歴山大王博文館 世界歴史譚 第17編 1900。中村不折画、doi:10.11501/782239
  • 『外国中地理』金港堂 1900
  • 『東洋歴史』博文館 帝国百科全書 1902
  • 大塩平八郎』東亜堂書店 1910、doi:10.11501/991732
    • 『大塩平八郎』(改訂)創元社、1942年。https://dl.ndl.go.jp/pid/1242430 
    • 『大塩平八郎』中公文庫、1977年。https://dl.ndl.go.jp/pid/12190185 
  • 『読史余録』大岡山書店 1928
  • 『日本経済史研究』大岡山書店 1928
  • 『和蘭夜話』同文館 1931
  • 『江戸と大阪』冨山房 1934
    • 『江戸と大阪』(増補)冨山房、1942年。https://dl.ndl.go.jp/pid/1882433/1/3 
    • 『江戸と大阪』冨山房〈冨山房百科文庫48〉、1995年。https://dl.ndl.go.jp/pid/13095999 
  • 『和蘭雑話』第一書房 1934
  • 『番傘・風呂敷・書物』書物展望社 1939
  • 『史話東と西』中央公論社 1940
  • 『聖フランシスコ・ザビエー小傳』創元社<日本文化名著選> 1941、doi:10.11501/1244476
    • 『聖フランシスコ・ザビエー小傳』(3版)創元社、1946年。https://dl.ndl.go.jp/pid/8322902 
    • 『聖フランシスコ・ザビエー小傳』(4版)創元社、1949年。https://dl.ndl.go.jp/pid/8322903 
  • 『日欧通交史』岩波書店 1942
  • 『史話南と北』慶応出版社 1948
  • 『凡人の半生』共立書房 1948
  • 『書誌学』慶応通信 1957 
  • 幸田成友著作集中央公論社 全7巻 
    • 『幸田成友著作集 第1巻 (近世経済史篇 1)』中央公論社、1972年。https://dl.ndl.go.jp/pid/12407683/1/4 
    • 『幸田成友著作集 第2巻 (近世経済史篇 2)』中央公論社、1972年。https://dl.ndl.go.jp/pid/12407680/1/3 
    • 『幸田成友著作集 第3巻 (日欧通交史篇 1)』中央公論社、1971年。https://dl.ndl.go.jp/pid/12407679/1/3 
    • 『幸田成友著作集 第4巻 (日欧通交史篇 2)』中央公論社、1972年。https://dl.ndl.go.jp/pid/12407681/1/3 
    • 『幸田成友著作集 第5巻 (史伝篇)』中央公論社、1972年。https://dl.ndl.go.jp/pid/12407682/1/3 
    • 『幸田成友著作集 第6巻 (書誌篇)』中央公論社、1972年。https://dl.ndl.go.jp/pid/12407684/1/3 
    • 『幸田成友著作集 第7巻 (雑纂)』中央公論社、1972年。https://dl.ndl.go.jp/pid/12407685/1/3 
    • 『幸田成友著作集 別巻 (総索引)』中央公論社、1974年。https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/12407686/1/3 

共著

注釈
翻訳


参考文献

  • 安丸良夫、佐々木潤之介『日本史』一橋大学〈一橋大学学問史 : 一橋大学創立百年記念〉、1986年、1019-1033頁。doi:10.15057/da.5896。hdl:10086/45896NDLJP:12248489。https://doi.org/10.15057/da.5896 
  • 林基「三田の国史学と幸田成友」『史学』第60巻第2/3号、三田史学会、1991年6月、27(201)-33(207)、CRID 1050001338946570624、ISSN 0386-9334。 
  • 『幸田成友』 - コトバンク

脚注

  1. ^ 『官報』第3910号、明治29年7月11日、p.119、『東京帝国大学卒業生氏名録』東京帝国大学、1939年、p.345
  2. ^ 『東京商科大学一覧 自大正11年至大正12年』東京商科大学、1922年、p.308
  3. ^ 『東京商科大学一覧 自大正13年至大正14年』東京商科大学、1925年、p.88
  4. ^ 『東京商科大学一覧 昭和3年度』東京商科大学、1928年10月、p.175
  5. ^ 『東京商科大学一覧 昭和5年度』東京商科大学、1930年12月、p.207
  6. ^ 『東京商科大学一覧 昭和5年度』東京商科大学、1930年12月、p.204
  7. ^ 『東京商科大学一覧 昭和9年度』東京商科大学、1934年9月、p.241
  8. ^ 安丸良夫 & 佐々木潤之介 1986
  9. ^ “書誌事項(CiNii Dissertations)”. 国立情報学研究所. 2017年7月23日閲覧。
  10. ^ 「青淵先生伝記資料編纂室たより」「青淵先生伝記資料編纂所通信」 2022年8月19日閲覧。

関連項目

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