弦楽四重奏曲 ヘ長調 Hess 34

弦楽四重奏曲 ヘ長調 Hess 34 は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが自作の『ピアノソナタ第9番 ホ長調 作品14-1』を弦楽四重奏用に編曲した室内楽曲である。

概要

元となったピアノソナタは1797年から98年にかけて作曲され、ヨゼフィーネ・フォン・ブラウン男爵夫人に捧げられた。1802年7月13日付け、ライプツィヒブライトコプフ・ウント・ヘルテル社宛の手紙で、「モーツァルトのピアノ曲をもし他の器楽用に編曲するとすれば、それができるのはモーツァルト自身ただ一人だけである。私の作品についても同じことを主張する。」とベートーヴェンは述べている。ピアノ作品から弦楽四重奏曲への編曲がそのころ流行しており、是非ともという求めに応じて、たった1曲だけ自作のピアノソナタを編曲したという。

曲の構成

全3楽章。全ての楽章が元となったピアノソナタよりも半音高く編曲されている。

  • 第1楽章 アレグロ・モデラート
    ヘ長調、4分の4拍子ソナタ形式
    明るい第1主題と、半音階的な第2主題による。提示部では弱奏だが、再現部では強奏になっている。

参考資料

  • 『スメタナ四重奏団 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番・ヘ長調』(COCO70682)のブックレット。(解説:幸松肇)

外部リンク

初期
  • ヘ長調 Hess 34
  • 第1番 ヘ長調
  • 第2番 ト長調『挨拶する』
  • 第3番 ニ長調
  • 第4番 ハ短調
  • 第5番 イ長調
  • 第6番 変ロ長調
中期
作品59(ラズモフスキー四重奏曲)
  • 第7番 ヘ長調
  • 第8番 ホ短調
  • 第9番 ハ長調
その他
  • 第10番 変ホ長調『ハープ』
  • 第11番 ヘ短調『セリオーソ』
後期
  • 第12番 変ホ長調
  • 第13番 変ロ長調
  • 第14番 嬰ハ短調
  • 第15番 イ短調
  • 大フーガ 変ロ長調
  • 第16番 ヘ長調
ベートーヴェンの楽曲一覧