弦楽四重奏曲 (シューマン)

弦楽四重奏曲 作品41は、ロベルト・シューマンによって1842年に作曲され、以下の3曲からなる。

  • 弦楽四重奏曲第1番イ短調 作品41の1
  • 弦楽四重奏曲第2番ヘ長調 作品41の2
  • 弦楽四重奏曲第3番イ長調 作品41の3

作曲の経緯と初演

シューマンが作曲した弦楽四重奏曲は、この作品41の3曲のみである。

1840年に結婚した妻クララが、1842年に結婚後初めての長い演奏旅行に出ている間、シューマンはライプツィヒの自宅で一人暮らしを余儀なくされ、極度のスランプに陥っていた。1840年の歌曲 (「歌曲の年」)、1841年交響曲 (「交響曲の年」)に続き、新たに室内楽に目を向け、1842年6月4日に第1番の作曲を開始し、約2か月の間に3曲の弦楽四重奏曲を完成した。これらは、シューマンにとって最初の室内楽曲作品である。

フェルディナント・ダヴィッドの率いる四重奏団により、1842年9月13日の妻クララの23歳の誕生日の贈り物として私的な初演が行われた。

楽譜は翌1843年ブライトコップ・ウント・ヘルテル社から出版され、フェリックス・メンデルスゾーンに献呈された。

なお、この1842年は、ピアノ五重奏曲、ピアノ四重奏曲がたて続けに作曲され、シューマンの「室内楽の年」と呼ばれる。

楽曲構成

弦楽四重奏曲第1番イ短調 作品41の1

第1楽章 Introduzione. Andante espressivo — Allegro

第2楽章 Scherzo. Presto - Intermezzo

第3楽章 Adagio

第4楽章 Allegro

弦楽四重奏曲第2番ヘ長調 作品41の2

第1楽章 Allegro vivace

第2楽章 Andante quasi Variazioni

第3楽章 Scherzo. Presto - Trio. l'istesso tempo - Coda

第4楽章 Allegro molto vivace

弦楽四重奏曲第3番イ長調 作品41の3

第1楽章 Andante espressivo - Allegro molto moderato

第2楽章 Assai agitato - Un poco Adagio - Tempo risoluto

第3楽章 Adagio molto

第4楽章 Finale. Allegro molto vivace


参考文献

  • 「シューマン、ブラームスの弦楽四重奏曲」アンソニー・バートン 訳:寺西基之(シューマン/ブラームス 弦楽四重奏曲集 ドイツ・グラモフォン F90G 20300/2)

外部リンク

楽譜

楽曲解説

  • Robert Schumann String Quartet No. 1 in A minor, Op. 41/1 Description by Blair Johnston(英語)
  • Robert Schumann String Quartet No. 2 in F major, Op. 41/2 Description by Blair Johnston(英語)
  • Robert Schumann String Quartet No. 3 in A major, Op. 41/3 Description by Blair Johnston(英語)
二重奏

アダージョとアレグロ 作品70 - 幻想小曲集 作品73 - 3つのロマンス 作品94(英語版) - 民謡風の5つの小品 作品102 - ヴァイオリンソナタ第1番イ短調 作品105 - ヴァイオリンソナタ第2番ニ短調 作品121 - F.A.E.ソナタ / ヴァイオリンソナタ第3番イ短調 WoO 27 - おとぎの絵本 作品113(英語版)

三重奏

ピアノ三重奏曲第1番ニ短調 作品63 - ピアノ三重奏曲第2番ヘ長調 作品80 - 幻想小曲集 作品88 - ピアノ三重奏曲第3番ト短調 作品110 - おとぎ話 作品132(英語版)

四重奏、五重奏

弦楽四重奏曲 作品41 - ピアノ五重奏曲変ホ長調 作品44 - アンダンテと変奏曲変ロ長調 作品46 - ピアノ四重奏曲変ホ長調 作品47

シューマンの楽曲一覧
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