抗アレルギー薬
抗アレルギー薬(こうアレルギーやく、antiallergic agent, antiallergic drug)は、アレルギー反応による諸症状を抑制する薬品である。薬理機序にはいくつかあり、メディエーター遊離抑制、トロンボキサンA2(英語版)阻害、ロイコトリエンLT受容体拮抗、プロスタグランジンD2(英語版)受容体拮抗、ヒスタミンH1受容体(英語版)拮抗、Th2サイトカイン阻害などがある。アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などに用いられることが多い。
注意すべき併用
抗アレルギー薬には併用時、薬物相互作用に注意しておかなくてはならないものがいくつかある。以下は一例である。
- ワルファリンとトラニラストを併用すると、肝薬物代謝が阻害され、出血傾向に陥るため、影響が出た場合は併用を中止する。
- ラマトラバンとアスピリンを併用することで血漿タンパク質の結合率が低下し、遊離型の血中濃度が上昇するため、影響が出た場合は併用を中止する。
- モンテルカストとフェノバルビタールを併用すると、肝薬物代謝酵素が誘導され、血中濃度が低下してしまうので、影響が出た場合は投与量の増加を検討する。
具体的な抗アレルギー薬
以下に示したものは一例である。
種類 | 特徴 | 機序 | 一般名 | 商品名 | 薬効分類 |
---|---|---|---|---|---|
メディエーター遊離抑制薬 |
| マスト細胞からのケミカルメディエーター遊離を阻害 | イブジラスト | ケタス | 2190 4490 |
クロモグリク酸ナトリウム | インタール | 2259 4490 | |||
トラニラスト | リザベン | 1319 4490 | |||
ペミロラストカリウム | アレギサール、ぺミラストン | 1319 4490 | |||
TXA2阻害薬 |
| TXA2合成阻害 | オザグレル塩酸塩水和物 | ドメナン、オサグレル | 4490 |
TXA2受容体阻害 | セラトロダスト | ブロニカ | 4490 | ||
ラマトロバン | バイナス、ラマトロバン | 4490 | |||
LT受容体拮抗薬 |
| LT受容体阻害 | プランルカスト水和物 | オノン | 4490 |
モンテルカストナトリウム | シングレア、キプレス | 4490 | |||
PGD2受容体拮抗薬 |
| PGD2受容体(CRTH2受容体など)の拮抗阻害 | ラマトロバン | バイナス、ラマトロバン | 4490 |
H1受容体拮抗薬 | ヒスタミンH1受容体拮抗 | ジフェンヒドラミン | レスタミン | 2642 2649 4419 4441 | |
エピナスチン | アレジオン | 4490 | |||
レボセチリジン | ザイザル | 4490 | |||
フェキソフェナジン | アレグラ | 4490 | |||
Th2サイトカイン阻害薬 | {アレルギー・マーチの予防に対する効果が期待されている。 |
| スプラタストトシル酸塩 | アイピーディ、スプラタストトシル酸塩 | 4490 |
関連項目
参考文献
- 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会 鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会, ed (2020). 鼻アレルギー診療ガイドライン : 通年性鼻炎と花粉症. 2020年版. 東京: ライフ・サイエンス. ISBN 978-4-89801-690-9. OCLC 1176247929
- 大久保, 公裕. “アレルギー性鼻炎ガイド 2021年版”. 2021年11月30日閲覧。
- 北村正樹、景山茂 (1996). “抗アレルギー薬”. 耳鼻咽喉科展望 39 (6): 688-692.
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