民間航空機ミサイル保護システム
民間航空機ミサイル保護システム(みんかんこうくうきミサイルほごシステム 英語:Civil Aircraft Missile Protection System, CAMPS)は、赤外線誘導ミサイルに対抗するシステム。主に15,000ft(4,600m)未満で飛行する民間航空機をMANPADSから守るよう設計されている。
このシステムはサーブ・アビトロニクス、イギリスの防衛産業であるケムリング・カウンターメジャー(現:ケムリング・グループ(英語版))、南アフリカのチャーター機専門会社ネイチャーリンク・アビエーション(英語版)によって開発された[1][2] 。
このシステムで使用されるデコイには比較的低温で燃える自然発火性物質を使用しているため[3]、イスラエルのフライト・ガードシステムで使用されるような、パイロテクニクスを用いた火工品である軍事用フレアからの火災や安全上の懸念などを取り除いている[4]。オンボードプロセッサには、赤外線センサーによって検出された潜在的な脅威を分類するニューラルネットワークを使用したアルゴリズムを使用する[3]。このシステムは2003年3月、南アフリカ空軍が所有するデネル・オーバーバーグ・テスト場(英語版)でのテストに成功している[1]。
WFPから食料輸送の委託を受けているチャーター専門会社「FlyMex」が所有するドルニエ 328に取り付けられている他、エンブラエル EMB 120、ロッキード L-100 ハーキュリーズでの採用実績もある[5]。
脚注
[脚注の使い方]
- ^ a b “Saab's New Protection System for Civilian Aircraft Successfully Demonstrated”. [epicos.com] (2007年3月15日). 2007年10月22日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Launch Customer for CAMPS System”. defence-aerospace (2008年9月25日). 2020年2月3日閲覧。
- ^ a b “CAMPS - Civil Aircraft Missile Protection System”. Saab Group. 2008年3月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Europe objects to El Al's anti-missile shield”. Ynetnews. http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3221013,00.html
- ^ “Saab's Civil Aircraft Missile Protection System CAMPS to Flymex”. (プレスリリース)SAAB (2011年3月18日). 2020年2月3日閲覧。
関連項目
- 旅客機撃墜事件の一覧
- フライト・ガード - 現エルビット・システムズの子会社である旧エルタ・システムズ(Elta Systems)が開発した赤外線ミサイル妨害装置。
- ノースロップ・グラマン・ガーディアン(LAIRCM) - ノースロップ・グラマンが開発した赤外線妨害装置。
- AN/ALQ-144 - アメリカ軍で採用されている赤外線ミサイル妨害装置。IRCM
- 指向性赤外線妨害装置(DIRCM) - レオナルド、エルビット、ITT、ノースロップ、BAEなど共同で開発された対赤外線ミサイル妨害装置。
- 2002年アルキア航空機攻撃事件(英語版) - ケニアでアルカイダによる9K32を使用したイスラエル民間機攻撃事件。
外部リンク
- SAAB公式ウェブサイト