石井健太郎 (棋士)

 石井健太郎 七段
名前 石井健太郎
生年月日 (1992-04-13) 1992年4月13日(32歳)
プロ入り年月日 2013年10月1日(21歳)
棋士番号 293
出身地 千葉県千葉市
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 所司和晴七段
段位 七段
棋士DB 石井健太郎
2024年3月6日現在
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石井 健太郎(いしい けんたろう、1992年4月13日 - )は、日本将棋連盟所属の棋士。所司和晴七段門下。棋士番号は293。千葉県千葉市出身。千葉日本大学第一小学校[1]千葉日本大学第一中学校・高等学校[2]日本大学経済学部産業経営学科出身[3]

棋歴

祖父に将棋盤を貰ったことをきっかけに、将棋に興味を持ち始め、所司には奨励会入会前(幼稚園時代)から将棋教室で教わったという[3]。2003年、第28回小学生将棋名人戦に千葉県代表として出場[1]

2004年9月29日に6級で奨励会に入会。初段まで順調に昇級及び昇段を続け、初段から二段に1年2ヶ月、二段から三段に1年8ヶ月とややもたついたものの、2010年3月(高校2年生当時)に三段リーグへの参加権を獲得した。

初参加から3期目(2011年度前期・第49回)は昇段争いの8番手で最終日を迎え、自身が連勝し、2番手から7番手の参加者が全員1敗以上すれば2位となる状態で連勝を遂げ、更に2番手から6番手の参加者が全員1敗ずつしたものの、7番手の藤森哲也も連勝したため“頭ハネ”[注 1]を喰らい3位(次点の獲得)に留まってしまった。 第50回・第52回でも、次点獲得の可能性を残して最終日を迎えたが、いずれも連勝できずフリークラス編入権を逸した。 しかし、第53回(2013年度前期)では前半から好調を維持しトップ独走の状態から逃げ切り、最終日を待たずして2位以上を確定させ[4]、最終的に15勝3敗・1位の成績を修め、四段昇段(プロ入り)[4][3]

第1回(2011年度)加古川青流戦に奨励会三段として参加し、2回戦で瀬川晶司、3回戦で渡辺大夢、準々決勝で永瀬拓矢にそれぞれ勝利し、ベスト4に進出した。(準決勝で当年度優勝者の船江恒平に敗れる。)

2015年度には、第9回朝日杯の二次予選 決勝で佐藤康光九段に勝利し、本戦へ出場(本戦は1回戦で当年度優勝者の羽生善治名人に負け)。

プロ4年目(順位戦は3期目)となる2016年度は、前年度の成績優秀につき第66回(2016年度)NHK杯将棋トーナメントでシード(予選免除)となり、本戦トーナメントに初出場(前期の第65回NHK杯は予選1回戦で、中村亮介五段に負け)。本戦1回戦では、師匠である解説の所司和晴七段が見守るなか、大石直嗣六段に勝利した。

2017年10月30日、第59期王位戦予選(対横山泰明六段)に勝ち、五段に昇段した[5]

第76期(2017年度)順位戦C級2組では8勝2敗の成績を挙げるも、順位差で昇級を逃した。

第77期(2018年度)順位戦C級2組では前年同様8勝2敗の成績を挙げ、今度は前年度の好成績による順位差により3番目の昇級枠に滑り込み昇級を果たした[6]

第78期(2019年度)順位戦C級1組では9勝1敗の好成績だったが、近年の競争の激しさ(C級1組では74期から5期連続で9勝1敗頭ハネが発生)と昇級直後の順位の悪さにより昇級はならなかった。

2022年度、第70期王座戦では本戦準々決勝で渡辺明名人を破り準決勝進出。第81期(2022年度)順位戦C級1組では9勝1敗の成績で青嶋未来六段、渡辺和史五段らと共にB級2組への昇級を決めた[7]

2024年3月6日、第82期(2023年度)順位戦B級2組では8勝2敗の好成績でB級1組に昇級し[8]、七段に昇段した[9]

得意戦法及び棋風

四段昇段の際のインタビューでは、矢倉及び四間飛車を得意とし、どちらかといえば受け将棋で、手厚い棋風を目指し、森内俊之の棋譜を見て研究している旨を答えた[3]。特に、角道を止めるノーマル四間飛車を多く採用する。 2020年からは四間飛車の採用が少なくなっている。

人物

  • 色紙や自著には「闘志」と書くことが多い[10]
  • 2024年1月29日、自身の結婚を日本将棋連盟を通して公表した[11]

昇段履歴

昇段規定は、将棋の段級 を参照。

  • 2004年09月00日 : 6級 = 奨励会入会
  • 2007年06月00日 : 初段
  • 2008年08月00日 : 二段
  • 2010年03月00日 : 三段(第47回奨励会三段リーグ<2010年度前期>より三段リーグ参加)
  • 2013年10月01日 : 四段(第53回奨励会三段リーグ成績1位) = プロ入り[4][3]
  • 2017年10月30日 : 五段(勝数規定 /公式戦100勝、通算100勝61敗)[5]
  • 2020年06月05日 : 六段(竜王ランキング戦連続昇級、通算173勝94敗)[12]
  • 2024年03月06日 : 七段(順位戦B級1組昇級、通算260勝145敗)[9][13]

主な成績

在籍クラス

竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[14]
(出典)竜王戦
出典[15]
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
2013 72 四段昇段前 27 6組 -- 2-2
2014 73 C247 6-4 28 6組 -- 4-2
2015 74 C219 7-3 29 6組 -- 3-2
2016 75 C211 7-3 30 6組 -- 5-1
2017 76 C207 8-2 31 5組 -- 2-2
2018 77 C202 8-2 32 5組 -- 4-1
2019 78 C134 9-1 33 4組 -- 5-1
2020 79 C104 6-4 34 3組 -- 1-2
2021 80 C108 7-3 35 3組 -- 0-2
2022 81 C103 9-1 36 4組 -- 5-2
2023 82 B221 8-2 37 4組 --
2024 83 B113 38
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2013 8 6 2 0.7500 [16]
2014 38 22 16 0.5789 [17]
2015 52 37 15 0.7115 [18]
2016 43 24 19 0.5581 [19]
2017 41 27 14 0.6585 [20]
2018 41 26 15 0.6341 [21]
2019 39 27 12 0.6923 [22]
2020 42 29 13 0.6904 [23]
2013-2020
(小計)
304 198 106
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 31 14 17 0.4516 [24]
2022 36 24 12 0.6666 [25]
2023 40 26 14 0.6500 [26]
2021-2023
(小計)
107 64 43
通算 411 262 149 0.6374 [27]
2023年度まで

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 三段リーグは、順位戦と同様のシステムで行われる。当回の場合、前回(2010年度後期・第48回)の成績に基づき決定されたリーグ順位は藤森が8位、石井が9位だったため、上位の藤森が四段昇段となった。

出典

  1. ^ a b “第28回小学生将棋名人戦【代表選手一覧】”. www.shogi.or.jp. 2021年1月20日閲覧。
  2. ^ “掲示板 各界で活躍するホープ達 | 千葉日本大学第一中・高等学校公式ブログ”. 2021年1月9日閲覧。
  3. ^ a b c d e “石井健太郎、三枚堂達也 新四段誕生のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2013年9月7日). 2017年10月31日閲覧。
  4. ^ a b c “新四段誕生のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2013年8月21日). 2017年10月31日閲覧。
  5. ^ a b “石井健太郎四段が五段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2017年10月31日). 2017年10月31日閲覧。
  6. ^ “40歳・佐藤和俊六段 15年目の昇級に万感「誇りに思うこと」 将棋順位戦C級2組”. スポーツ報知 (2019年3月8日). 2024年8月12日閲覧。
  7. ^ “将棋順位戦、劇的な結末 渡辺和史五段が逆転、伊藤匠五段は昇級逃す:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2023年3月8日). 2024年8月12日閲覧。
  8. ^ “「鬼になる準備はできた」高見七段と石井六段が昇級 B級2組順位戦:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年3月7日). 2024年8月12日閲覧。
  9. ^ a b “石井健太郎六段が七段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2024年8月12日閲覧。
  10. ^ 日本将棋連盟・販売部直販の「四間飛車の逆襲 」(マイナビ将棋BOOKS)など
  11. ^ “石井健太郎六段が結婚|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2024年8月12日閲覧。
  12. ^ “石井健太郎五段が六段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2020年6月8日). 2020年6月9日閲覧。
  13. ^ 『通算成績(2024年3月5日対局分まで、未放映のテレビ対局を除く)』日本将棋連盟。オリジナルの2024年3月7日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20240307040552/https://www.shogi.or.jp/game/record/all.html 
  14. ^ 「名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
  15. ^ 「竜王戦」『日本将棋連盟』。
  16. ^ [1][名無しリンク]
  17. ^ [2][名無しリンク]
  18. ^ [3][名無しリンク]
  19. ^ [4][名無しリンク]
  20. ^ [5][名無しリンク]
  21. ^ [6][名無しリンク]
  22. ^ [7][名無しリンク]
  23. ^ [8][名無しリンク]
  24. ^ [9][名無しリンク]
  25. ^ [10][名無しリンク]
  26. ^ [11][名無しリンク]
  27. ^ [12][名無しリンク]

関連項目

外部リンク

  • 石井健太郎|棋士データベース|日本将棋連盟
日本将棋連盟所属棋士 (現役棋士 および 2024年度引退棋士)
タイトル
保持者
【九段 6名】
【七段 1名】

永世称号 襲位者0
永世称号 有資格者

九段
【26名】
八段
【33名】
七段
【44名】
六段
【27名】
五段
【20名】
四段
【15名】
【昇段予定2名】
2024年度
引退棋士
 九段  青野照市 (2024年6月13日 引退)
 八段  室岡克彦 (2024年6月18日 引退)
 八段  中座真 (2024年6月19日 引退)
 七段  伊奈祐介 (2024年5月10日 引退)
現役棋士 全172名、昇段予定2名(2024年9月07日時点、日本将棋連盟所属) / は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照
第37期竜王戦ランキング戦
竜王
1組
(定員16名)
2組
(定員16名)
3組
(定員16名)
4組
(定員32名)
5組
(定員32名)
6組
(参加70名)
女流棋士
アマチュア
  • 慶田義法アマ
  • 竹内広也アマ
  • 小林康太郎アマ
  • 中川慧梧アマ
  • (出場4名)
奨励会員
次期から出場
★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。
名人
A級
B級1組
B級2組
C級1組
C級2組
フリー
クラス
宣言
棋戦限定
出場

2024年度
引退者

次期から
の出場者
フリークラスからの昇級者
2024年10月1日昇段者
先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点)
B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点2回で降級、C級2組は降級点3回で降級)
詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照
典拠管理データベース ウィキデータを編集
  • VIAF