国鉄ワ10000形貨車
国鉄ワ10000形貨車 | |
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ワ10012 (吹田信号場) | |
基本情報 | |
車種 | 有蓋車 |
運用者 | 日本国有鉄道 |
所有者 | 日本国有鉄道 |
製造所 | 盛岡工場、土崎工場、新津工場、長野工場、大宮工場、多度津工場 |
製造年 | 1955年(昭和30年) |
製造数 | 500両 |
消滅 | 1982年(昭和57年) |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 6,700 mm |
全幅 | 2,732 mm |
全高 | 3,360 mm |
荷重 | 10 t |
実容積 | 26.4 m3 |
自重 | 8.3 t |
換算両数 積車 | 1.4 |
換算両数 空車 | 0.8 |
走り装置 | 一段リンク式→二段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 3,500 mm |
最高速度 | 65 km/h→75 km/h |
備考 | *上記寸法は一例である |
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国鉄ワ10000形貨車(こくてつワ10000がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した有蓋貨車である。本項では、改良型であるワ12000形および同形式の派生形式であるポ300形についても記述する。
概要
本形式は、1955年(昭和30年)に、国鉄工場において500両(ワ10000 - ワ10499)が製造された、10トン積二軸有蓋車である。製造の状況は次のとおりである。
- 盛岡工場 (ワ10000 - ワ10129)130両
- 土崎工場 (ワ10130 - ワ10199)70両
- 新津工場 (ワ10200 - ワ10299)100両
- 長野工場 (ワ10300 - ワ10399)100両
- 大宮工場 (ワ10400 - ワ10449)50両
- 多度津工場 (ワ10450 - ワ10499)50両
本形式は、戦前に製造されたワ22000形の後継車にあたるものである。同形式の製造終了後は、15トン積みのワム23000形等が製造されてきたが、戦後不況の影響により、小型車の需要が高まったため、再び10トン積みで製造されたのが本形式である。その意味で、トム60000形無蓋車やテ1000形鉄製有蓋車、ツ4000形通風車と軌を一にする。また、本形式は、戦時中に大量に製造され、戦時輸送の終了により大量の余剰が発生していたトキ900形無蓋車の改造名義で一部の部品を流用して製造された。
本形式の基本構造はワ22000形と同様であるが、高さと幅を若干大きくし、容積を24.0m3から26.4m3に増大させている。また、走行の安定性向上を図るため、軸距を3,000mmから3,500mmに拡大した。車軸は改造種車と同様の12トン短軸で、軸ばね吊り(走り装置)は(一段)リンク式であり、最高運転速度は65km/hである。
貨物室には幅1,500mmの鋼製片引戸が1か所(片側)に設けられている。貨物室の寸法は、長さ5,750mm、幅2,300mm、高さ2,000mm、床面積13.2m2である。全長は6,700mm、全幅は2,500mm、全高は3,360mm、自重は8.3tとなった。貨物室内には厚さ20mmの木製の内張りが設けられており、外板との間に空間を設けた二重羽目構造となっている。側引き戸には2本の補強用リブがある。妻板の上部には、ワム23000形と同様の構造の鋼板プレス製の通風器が3つ設けられている。屋根は、鉄製の垂木に厚さ20mmの木製の屋根板を張り、防水布で覆った構造である。
空気ブレーキは、床下スペースが狭隘であることから、シリンダと空気溜めが分離したKD形とし、その中でも最小のKD180形が採用された。留置ブレーキは通常の側ブレーキだが、車端一杯に装備されている。自動連結器は並形上作用である。
1968年(昭和43年)10月1日国鉄ダイヤ改正で実施された貨物列車の速度向上では、車齢が新しいことから1967年(昭和42年)から1968年(昭和43年)にかけて残存の全車を対象に、走り装置の二段リンク式化改造が実施され、最高運転速度が75km/hに向上された。1968年(昭和43年)度末時点の在籍両数は498両であったが、1978年(昭和53年)頃から本格的な廃車が始まり、1982年(昭和57年)度に形式消滅となった。晩年は、ワ12000形とともに事業用(配給車や救援車)として使用されたものが多かった。
ワ12000形
ワ12000形は、1956年(昭和31年)に国鉄工場において500両(ワ12000 - ワ12499)が製造された、10トン積二軸有蓋車である。製造の状況は次のとおりである。
- 盛岡工場 (ワ12000 - ワ12129)130両
- 土崎工場 (ワ12130 - ワ12259)130両
- 高砂工場 (ワ12260 - ワ12409)150両
- 多度津工場 (ワ12410 - ワ12499)90両
本形式はワ10000形の改良型であり、同形式の車軸を12トン長軸、走り装置を新製時から二段リンク式とし、最高運転速度を75km/hとしている。そのため、台枠側梁はワ10000形よりも外側に位置している。その他はワ10000形と同様であり、床面高さ(全高)が5mm上がり、自重が8.8トンに増した程度である。 1968年度末時点では全車が健在で、1980年(昭和55年)頃から本格的な廃車が始まり、1984年(昭和59年)度に形式消滅となった。
ポ300形
ポ300形は、1955年(昭和30年)から1957年(昭和32年)にかけて、60両(ポ300 - ポ359)が既存車両の改造名義により製作された10トン積み陶器車である。外観・性能はワ12000形と同等で、1955年にトキ900形から20両(ポ300 - ポ319)が、1956年(昭和31年)および1957年(昭和32年)にワム1形から各20両(計40両。ポ320 - ポ359)が改造製作されたが、実態は部品の一部流用程度である。改造工事はすべて長野工場にて行われた。1971年(昭和46年)までに全車廃車となった。
参考文献
- 貨車技術発達史編纂委員会 編「日本の貨車―技術発達史―」2008年、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊
- 「国鉄貨車形式図集I」1992年、鉄道史資料保存会刊
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「ワ」級 | ワ1形 - ワ5形 - ワ6形 - ワ8形 - ワ10形 (初代) - ワ10形 (2代) - ワ20形 - ワ21形 - ワ25形 - ワコ70形 - ワ100形 - ワコ100形 - ワ101形 - ワ110形 - ワコ110形 - スコ300形 - スコ400形 - ワ10000形 - ワ12000形 - ワ14000形 - ワ16000形 - ワ17000形 - ワ20000形 - ワ20300形 - ワ20400形 - ワ20500形 - ワ21000形 - ワ21100形 - ワ21300形 - ワ21400形 - ワ21600形 - ワ21800形 - ワ22000形 - ワ50000形 |
「ワム」級 | |
「ワラ・ワサ」級 | |
「ワキ」級 | ワキ1形 - ワキ700形 - ワキ1000形 - ワキ5000形 - ワキ7000形 - ワキ8000形 - ワキ9000形 - ワキ10000形 - ワキ50000形 |
有蓋緩急車 | ワフ1形 - ワフ500形 - ワフ501形 - ワフ550形 - ワフ600形 - スフ700形 - スフ750形 - ワフ1700形 - ワフ2900形 - ワフ3300形 - ワフ5000形 - ワフ6500形 - ワフ7500形 - ワフ7700形 - ワフ7800形 (初代) - ワフ7800形 (2代) - ワフ7900形 - ワフ8000形 - ワフ9000形 - ワフ11500形 - ワフ11700形 - ワフ11800形 - ワフ11900形 - ワフ12000形 - ワフ12100形 - ワフ12300形 - ワフ19500形 - ワフ20000形 - ワフ21000形 - ワフ22000形 - ワフ23000形 - ワフ23100形 - ワフ23200形 - ワフ24000形 - ワフ25000形 - ワフ28000形 - ワフ29000形 - ワフ29500形 - ワフ35000形 - ワフ121000形 - ワフ122000形 - ワムフ1形 - ワムフ100形 - ワサフ8000形 - キワ90形(試作気動貨車) |
鉄側有蓋車 | |
鉄製有蓋車 | テ1形 - テ600形 - テ900形 - テ1000形 - テ1200形 - テム100形 - テム300形 - テラ1形 - テキ1形(初代) - テキ1形(2代)(私有貨車) - テキ200形(私有貨車) |
通風車 | |
家畜車 | |
豚積車 | ウ1形 - ウ100形 - ウ200形 - ウ300形 - ウ500形 |
活魚車 | |
家禽車 | |
車運車 | |
陶器車 |